9. ニ長調のファド。私は、最初のすう小節に親指を使うのか、人差し指を使うのかだけを示しました。 残りはあなた自身で考えてください。




ニ短調のファド - ポルトガル・ギターのやさしい奏法
(A Guitarra Portuguesa Metodo Facil)、作者未詳、出版日付なし、からロナルド・ルイス・フェルナンデスによって、ヘ短調より転調し指使いを与えられています。

10.ファド奏者やファドの聞き手の世界によく知られた数百もの伝統的なファドのメロディーがあります。ファド・メロディーの大部分は、ファド・ヴィトリア(Fado Vitoria)とかファド・バイラード(Fado Bailado)などのように、特別な名前で知られています。1999年、これらの中から約120曲ほどがついにアントニオ・パレイラ(Antonio Parreira)により収集され、大家ジョルジ・マシャード(MaestroJorge Machado)により採譜されました(最後の文献の項を参照)。 作者未詳の場合の多い伝統的な“フォーク”ソングと異なり、ファドの世界では、ファド・メロディーや歌詞の作者はたいがい知られています。たとえば、“ファド・バイラード”というメロディーはアルフレッド・マルセネイロ(Alfredo Marceneiro)に負うもので、“エスターニャ・フォルマ・ジ・ヴィーダ”(Estanha Forma de Vida)の詩は、しばしばその有名なメロディーにのせて歌われますが、アマリア・ロドリゲス(Amalia Rodrigues)により書かれたものです。

 商業的な人気音楽では、言葉やメロディーは法律に関わり、その作者は著作権法により保護されます。伝統的なファドでは、メロディーと詩は互いに独立した存在です。もっと単純に言えば、歌い手は伝統的なメロディー郡の中から自由に選べるし、好きな歌詞で歌うことができます。この事は、ファドの録音された音楽を聴いたり、装飾されてはいるが同じメロディーを異なった歌い手が自分の詩に合わせて使っているのを耳にしたりする事実で、明白になります。 ある意味で、ファド奏者は、伝統的な音楽のとらえかたの上に新しい歌詞を作り上げていくことにより、ファドを絶えず発明しているのです。 これが意味するのは、伴奏ギターラ奏者はファドの歌い手がいかなる歌詞をその特別なメロディーにのせるのか前もって判っていません。熱狂的なファド・ギタリストにとっては、当然ながら、伝統的なメロディーの総体を学ぶことが中心的な義務となり、それによりいかなるファドの歌い手の伴奏が容易にできるようになるのです。ついでながら、そうしたファド・メロディーを学ぶことはさらなる利得となります、というのは、それらは、ギターラの大家達により一般的に築き上げられたソロ演奏の数々の源泉となのですから。

 伝統的で、よく知られたメロディーの大いなる形の存在は、ファド音楽世界と絶えず関連性を保ち、詩を変えたりメロディーを装飾したりすることでファドに特別な自由性を与えています。

11.基本和音

次の機会に、この部分にギターラ用の基本コード表を載せます。

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ロナルド・ルイス・フェルナンデス(RonaldLouis Fernandez)著
リスボン・タイプ ポルトガル・ギター演奏法 (C)2000 原著

翻訳:戸神敏彦(M.G Company,Inc. = Guitar-Harp.com
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M.G Company
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